団塊の世代が全て後期高齢者となる令和7(2025)年以降の東京の福祉施策について、東京都の社会福祉審議会検討分科会が、来年1月にも意見書案をまとめることが分かった。少子高齢化が進む中、介護人材が不足し、「地域のつながり」も希薄になっており、対策は急務となっている。意見書は同2月にも小池百合子知事に提出する。
都の試算によると、都内の人口は、団塊の世代(昭和22~24年生まれの人)が75歳以上の後期高齢者となる令和7年の1417万人をピークに減少に転じるとされている。
その後は急速に社会の高齢化が進み、32年には高齢化率は31%となり、22・7%だった平成27年を約10ポイント上回る試算。介護人材の不足も予想されており、介護職員数は、令和7年度に約3万5千人不足すると推計されている。分科会では、こうした急速な変化に対応するため、都の福祉政策を抜本的に検討する。
15日に開かれた初会合では、外国人材受け入れによる介護職員の確保や、AI(人工知能)などの先端技術の導入による介護現場の効率化などの必要性を、委員が指摘した。
また、団塊世代の子供世代「団塊ジュニア」をめぐって、未婚のまま親に収入を依存する「パラサイトシングル」問題も指摘されており、ある委員は「20年後に親が亡くなった後に危機が訪れる」と強調。他にも「住民が主体性と当事者意識を持って地域活動に参加する体制整備が必要」との意見もあった。