都営地下鉄に8言語対応券売機 五輪パラへ設置広がる

外国人観光客にも、8言語対応の券売機は好評だ=10日午前、新宿区の都営地下鉄都庁前駅(植木裕香子撮影)
外国人観光客にも、8言語対応の券売機は好評だ=10日午前、新宿区の都営地下鉄都庁前駅(植木裕香子撮影)

 2020年東京五輪・パラリンピック開催に向け、都内を訪れる外国人観光客の増加が予想される中、都営地下鉄の駅構内では、8言語に対応し、大型の画面を備えた新しい切符の券売機の設置が広がっている。観光地から交通ルートを検索し、最寄り駅までの切符を購入できる仕組みも導入。外国人観光客らにも好評で、都は今年度、新たに14台設ける方針だ。

 都交通局によると、新型の券売機が設置されているのは、多くの外国人観光客が訪れる浅草や六本木など、都営地下鉄の31駅。32インチの大型画面が使われており、日本語、英語に加え、中国語(簡体字と繁体字)、韓国語、フランス語、スペイン語、タイ語の計8つの言語に対応している。

 利用者は、(1)駅名(2)路線図(3)駅番号(4)観光スポット-の4つの方法から目的の駅を探し、切符を購入することができる。このうち、観光スポットから検索する方法では、画面上に表示された東京タワーや秋葉原、歌舞伎町、アメ横、築地場外市場、もんじゃストリートなど19の名所から行きたい場所を選択。画面に触れると、目的地までのルートや料金が表示され、そのまま最寄り駅までの切符が購入できる。

 10日、都営大江戸線の都庁前駅では、この券売機を利用する外国人観光客の姿があった。

 4月下旬にオーストラリアから来日したという配管工のジョーダン・ランハムさん(25)は「日本の駅名は覚えるのが難しく、公共交通網も複雑に入り組んでいる。この券売機ならワンタッチで目的地までの切符が買えるので本当に便利だ」と話した。

 都営地下鉄をめぐっては、沿線上に新国立競技場など東京五輪・パラリンピック競技会場の最寄り駅が4つあり、今後も外国人観光客らの利用が増える見込みだ。

 都交通局は「券売機の台数を増やし、東京を訪れる国内外の人が快適に電車を利用できるよう努めたい」と話している。

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