朝晴れエッセー

手に咲いたバラの花・5月8日

夕食が終わり、洗い物を片付けるのに気合を入れなければ、腰があがらない。しかし誰も洗ってくれないのだから「よーし、やるぞ」と自分に言って洗い物をする。

片付けが終わるとテレビを見ながら一日酷使した手にハンドクリームを塗ってマッサージをする。そのときに指をまっすぐに伸ばし、関節に咲いているバラの花をなでる。

20年くらい前に母が「年はとっても指の関節にできる皺(しわ)をバラの花と思うと、手入れをしたくなるよ」と言って私に指を開いて見せてくれた色白の手を思いだす。

私もバラの花を咲かせている。右手5本の指の一つ一つの関節に咲いたバラの花が今は4つになった。親指は花弁の形が崩れて、皺になりかけている。しかし、人さし指・中指・薬指・小指の花は咲いている。特に薬指の花弁は美しい。

左手は親指も人さし指も花は崩れて皺となり、バラの花は3つとなった。右手のほうが酷使されているのに、やはり鍛えるほうが皮膚や筋肉によいのだろうか。

しかし、手に力を入れて指を広げるとバラの花はみんな健在だ。花の形はそれぞれだが私の分身だからいとおしい。

だんだんと年を重ねていけば、衰えていくことばかりだが、母が私に話してくれたように、何かを見つけて楽しみたい。

現在、探している楽しみは毛染めを止めて白髪になったヘアスタイルと、原色のスカーフに挑戦することだ。

由井 和子 81 主婦 大阪府寝屋川市