バレー女子ロンドン銅の山口、引退試合で涙

 バレーボールの全日本男女選抜大会の準決勝で5日、東レが連覇を狙ったJTを3-1で下し、9大会ぶりの優勝に王手をかけた。新人のアウトサイドヒッター、石川真佑はスパイクでチーム2位の19得点。18歳の期待のルーキーは「マークがついてもブロックを外して決められた」と納得の表情を浮かべた。

 チームがテーマに掲げる「執粘」を見せたのが、第1セットを先取されて迎えた第2セットからだ。エースのヤナや石川真佑にトスを集中させ、JTの堅い守備をじわじわと崩していった。石川真佑はブロックでも身長195センチのヤナに並ぶチームトップの3得点。攻守に奮闘し、勝利に貢献した。

 兄は男子日本代表のエース、祐希。名門・下北沢成徳高(東京)では3年時に高校総体、国体を制し、今春、「とても雰囲気が良い」と東レに進んだ。174センチの身長は攻撃の選手としてはやや小柄だが、兄同様の身体能力とセンスで強打を打ち抜ける。菅野監督は「(身体の)小さい子がバレーをやりたいと思うような選手になってほしい」と期待を込める。

 今大会は高校の先輩でもある黒後(くろご)が日本代表合宿で不在だが「(黒後)愛さんが抜けても日本一を目指すことは変わらない」。決勝でも代役以上の輝きを放つつもりだ。(岡野祐己)

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