改元に伴い、今年のゴールデンウイーク(GW)は前例のない10日間の大型連休となった。懸念されるのが、連休明けに学校に通う子供たちの自殺だ。長い休みの直後は子供たちの自殺が急増する傾向にあり、GW明けも例年増える。専門家は「今年はいつも以上に休みが長く、注意が必要だ」と警鐘を鳴らす。
「連休に入る前から、普段以上に相談が寄せられている」。自身も不登校の経験を持つNPO法人「全国不登校新聞社」の石井志昂(しこう)編集長は、こう打ち明ける。
内閣府の自殺対策白書(平成27年)によると、18歳以下の自殺者は夏休み明けが最も多く、次いで新年度が始まる春休み明け。3番目がGW明けだ。環境の変化が大きい新年度から約1カ月が経過し、子供たちの疲れが出やすい時期であることが理由とみられる。
特に注意が必要なのが、初めての義務教育で子供が「管理されている」と感じる場面が多い小学1年生と、部活動が始まるなど環境の変化が大きい中学1年生。中学・高校生になると、苦しんでいることを学校や親に隠そうとする傾向もあるという。
石井さんは「普段は頑張って登校している子供が、学校と離れることで『苦しさ』に直面する。無理して登校すると、命や健康に危険が及ぶ事態になりかねない。連休中と休み明けを比較し、変化がある場合は無理に登校させず、休ませてほしい」と訴える。
重要になるのが親のサポートだ。不登校に悩む親子を支援しているNPO法人「登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク」の奥地圭子代表理事は、「親は『学校に通わせなければならない』と考えて子供と接しがち。親子の信頼関係が損なわれるし、親自身も追い詰められる」と指摘する。