主要企業が事業計画を練る上で想定している今年9月末時点のドル円相場の水準を尋ねたところ、「1ドル=106~110円」と「111~115円」の回答がそれぞれ3割強だった。米国の利上げが休止する中、日本銀行は大規模金融緩和を当面続けると予想され、多くの企業が足元の為替水準が続くとみる。
ただ、円高への不安も根強い。「年後半にかけて世界経済の下ぶれが意識され、やや円高方向での展開を予想する」(銀行)、「米国経済失速や保護主義先鋭化により円高に振れる可能性がある」(商社)などの声が上がる。特に日米が協議中の新たな貿易協定で通貨安誘導を封じる「為替条項」が導入されることを警戒する姿勢が目立つ。
また9月末時点での日経平均株価の見通しを聞いたところ、「2万2000円台」が29%、「2万1000円台」が21%を占めた。最低は「1万9000円台」、最高は「2万4000円台」だった。
今後の株価の方向感については「どちらでもない」が約4割、「株高」と「株安」が2割弱ずつを占めた。金融機関で株高予想が多い一方、「消費税増税後の株価動向に不安がある」(IT)との声も出た。(米沢文)