約50年にわたり待ち合わせ場所として親しまれてきた大阪・梅田の地下街「ホワイティうめだ」(大阪市北区)にある「泉の広場」の噴水が撤去されるのを前に5日、広場へのメッセージを書いたカラーボールを水面に浮かべるイベントが開かれた。噴水は6日で見納めで、参加者は惜しみながらボールを投げ込んだ。
運営する「大阪地下街」(同市北区)によると、泉の広場は前身の「ウメダ地下センター」に昭和45年、噴水が設置されたのが始まりで、平成14年に現在の「3代目」が完成。大理石製で、ローマのスペイン広場にある噴水などを参考にデザインされたという。
1日に約40万人が訪れる地下街の待ち合わせスポットとして親しまれてきたが老朽化のため撤去が決まり、今回のイベントが企画された。周辺はリニューアル工事が完了する11月下旬まで封鎖。広場の名称は残り、新たに発光ダイオード(LED)などを使ったオブジェが設置されるスペースになるという。
この日のイベントでは赤や青、黄色などのカラーボール千人分を用意。買い物客らが「50年間お疲れさま」「ありがとう」などとメッセージや思い出を書きこんで投げ込み、噴水を彩っていった。
参加した同市東住吉区の高校教師、美濃部由紀さん(50)は「噴水は家族や友達との待ち合わせでよく使った。地下街で水を感じられる場所として親しんでいたので、無くなるのは残念」と話していた。