百戦錬磨のベテランが実戦のマウンドへ戻ってきた。利き腕の左前腕部肉離れで戦列を離脱していた西武の内海哲也投手(37)が4月17日、本拠地・メットライフドームで行われたイースタン・リーグのヤクルト戦に六回から登板。3回を投げて無失点に切り抜け、「捕手のサインを理解して、しっかり投げ込むことができた」と計37球の手応えを口にした。
内海は炭谷銀仁朗捕手(31)の巨人へのフリーエージェント(FA)移籍に伴う人的補償として西武入り。通算133勝の実績から先発ローテーション入りを期待されていたが、3月2日の広島とのオープン戦(佐賀)に登板後、腕の痛みを訴え、実戦から離れていた。
この日対戦したヤクルトは2軍とはいえ、川端慎吾(31)、藤井亮太(30)両内野手といった巨人時代に1軍で対戦したメンバーも打線に顔をそろえた。「結果を求めてマウンドへ上がった」という内海は持ち前の制球力で早めに打者を追い込み、9つのアウトの内訳は三振2、内野ゴロ5、外野フライ2。
巨人でチームメートだった奥村展征(のぶゆき)内野手(23)らに打たれた安打2本はいずれも2死からで、得点圏への進塁は許さなかった。「いい緊張の中、しっかりと打者と勝負できたのはよかった」と振り返る。
フルスイングしてくるパ・リーグの打者の芯を外す武器に、と考えているカットボールはこの試合では封印した。「前腕に負担のかかる球種だと思うので」と大事を取ったためだが、「今後はキャッチボールなどで試しながら(実戦で)使えるようになれば」と投球の幅を広げることに意欲的だ。