ビジネスの裏側

画期的インフル薬の誤算 ゾフルーザに変異ウイルス

 同社は変異ウイルスが出現しても薬による治療効果は得られている可能性があるとみている。治験を担当した塩野義の医薬開発本部プロジェクトマネジメント部、上原健城部門長は「青少年や成人では、変異ウイルスが出現しても罹病(りびょう)期間は未投与の患者に比べると短い傾向にあった。熱やせきなど7つの症状を数値化して平均をとると、変異ウイルスの有無で有効性に差はなく、症状の悪化との因果関係を認めることは現時点ではできない」とする。

 発売当初から薬の添付文書に、変異ウイルスの発現した患者では投与3日後にウイルスが再び増えていることをグラフで明示してきた。治験を監督する医薬品医療機器総合機構(PMDA)と協議してのことだ。

 昨年10月に製造販売が承認された米国でも、承認機関の米食品医薬品局(FDA)がコメントの中で、FDA独自の調査に基づき、耐性出現率について他のインフル治療薬と比べて「割合は変わらない」とした。ただ、人から人への感染などに関するデータは「継続的に監視されるべきだ」とする見解を示している。

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