晴れの御代替わり 天皇陛下「自己研鑽」御決意

晴れの御代替わり 天皇陛下「自己研鑽」御決意
晴れの御代替わり 天皇陛下「自己研鑽」御決意
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 歴代の天皇のなさりようを心にとどめ、自己の研鑽(けんさん)に励む-。1日に即位の儀式に臨んだ天皇陛下の初めてのお言葉は、歴史学者らしい姿勢とともに、象徴への道のりが緒に就いたばかりであることを印象づけられた。譲位に伴う世代交代は華やかに、清新の気に満ちた中で進められた。

 即位の儀式「剣璽等承継(けんじとうしょうけい)の儀」と「即位後朝見(ちょうけん)の儀」が行われたのは、4月30日の退位の儀式と同じ皇居・宮殿「松の間」。昭和天皇崩御の2日後で、国民、社会全体が悲しみの中にあった平成の即位の儀式とは対照的に、「晴れの儀式」として営まれた。

 「三種の神器」などを受け継ぐ剣璽等承継の儀に続き、国民の代表と対面されたのが即位後朝見の儀。中央の壇上に最高位の勲章「大勲位菊花章頸飾(けいしょく)」を首から下げた陛下が立たれ、ティアラ(宝冠)とネックレスを輝かせた皇后さまが寄り添われた。

 皇嗣(こうし)秋篠宮さまと常陸宮さまは勲章付きのえんび服という正装のお姿。秋篠宮妃紀子さまをはじめ女性の成年皇族10方が勲章、ティアラを着用したロングドレスという装束で、華美な雰囲気に花を添えられた。

 陛下は天皇として初めてのお言葉で、上皇さまの在り方を踏襲するように「国民」という表現を6回用い、「常に国民を思い、国民に寄り添いながら」象徴の責務を果たすことを誓われた。その一方で、歴代天皇の振る舞いに留意し、自己研鑽することへの決意も表明された。これは上皇さまのご即位時にはなかったフレーズだ。

 陛下は高校から継続的に歴代天皇の事蹟(じせき)を教わり、大学で歴史学を専攻された。ここ数年は、中世の天皇が飢饉(ききん)や疫病で苦しむ人々の安寧を祈り、各地に送った般若心経の写経を精力的に見て回られてきた。

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