令和に寄せて

麗しき大和の国柄を守れ 櫻井よしこ・国家問題研究所理事長

 では新たに即位した天皇陛下の受けられた教育はどうか。学習院には帝王学の発想もなく、ご学友もいないと学習院大学の教授だった篠沢秀夫は書いている(『だから皇室は大切なのです』草思社)。

 『浩宮の感情教育』(飛鳥新社)の著者、小坂部元秀氏は陛下が学習院高等科にご在籍当時、クラス担任を2年間務めた。皇室関係の在学生名が大書されている学習院父母会名簿の最初のページを学生が「破り棄て」るはなしが、小坂部氏の著書の「序章」に出てくるのだが、小坂部氏はその行為をもっともだと認めているかのようだ。別の章で小坂部氏は南原繁の国会演説を「記念碑的」と評価し、「所詮は天皇陛下なんてどうでもいい」と書いた詩人の三好達治や、中野重治らを賛美している。

 当時の浩宮親王殿下に小坂部氏が担任教師としての愛情や情熱を注いでいたとは考えにくく、陛下にとって学習院の教育環境は実に冷淡だったと推測できる。

 こんな状況に皇族方を放置して、私たちに立派な天皇像を望む資格があるのか。帝王学や皇室は、国民から遊離したものではない。国民が望む天皇像は、国民がどのような価値観を重視し、どれほどの敬愛をもって皇室を支えるかという命題と背中合わせだ。令和の皇室が日本の国柄を尊び、国民統合の中心となるには、新天皇の大いなる学びをあらゆる面で支える制度と心が、政府、国民の側にも必要だ。共に立派な国を創るという覚悟をもって初めてもうひとつの課題の憲法改正も可能になる。

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