巨大IT規制、政府3つの柱 個人情報の利用停止権新設も

 巨大ITはネット検索や会員制交流サイト(SNS)で検索履歴などの個人情報を集め、特定の個人を狙った広告サービスなどを展開し収益を上げている。政府は、こうした個人情報の収集にも「優越的地位の乱用が適用できる」(公取委幹部)として、個人消費者とのやり取りにも規制の網をかける構えだ。

 また、巨大ITが収集する個人情報について、広告などへの利用停止を個人が求めた場合、応じるよう義務付ける「利用停止権」も新設する。来年の通常国会に、個人情報保護法の改正案を提出する方向だ。また、個人情報の漏洩などに罰金引き上げを検討する。

 課税ルールも見直す。巨大ITはネットを通じ国境を越えて事業を展開するが、各国に支店や工場がなくてもビジネス展開できるため、既存の法人税ルールでは対応できないからだ。

 麻生太郎財務相は昨年12月、アルゼンチンでの20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)終了後の記者会見で、「デジタル化に伴う課税原則の見直し議論とともに、租税回避・脱税への対応に取り組む」と述べ、デジタル課税のルール作りに意欲を示した。

 6月に大阪で開かれるG20首脳会議でも議論される見通しで、G20は2020年までのルール確立を目指している。具体的にはブランド力といった無形資産から生じる利益に課税する案などが検討されている。

 巨大ITはネット通販や検索サイト、SNSなどを通じ、取引先や消費者に利便性を提供してきた。自動運転といった技術革新を進める上で、今後も巨大ITの果たす役割は小さくない。規制に向けては技術革新や有望市場の成長に支障をきたさないという視点も欠かせない。

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