京都大吉田寮(京都市左京区)の老朽化に伴い、大学側が寮生全員の退去を求めていた問題で、京大は26日、現在居住が確認できている京大生20人に対し、建物の明け渡しを求める訴訟を京都地裁に起こした。
京大によると、今年に入り、同地裁による占有移転禁止の仮処分の執行や、その後の大学による調査で、少なくとも学生20人が老朽化した吉田寮の現棟に居住していることを確認した。
京大の川添信介副学長は会見で「(吉田寮をめぐる)長い経過のなかで対話のための可能性を開いてきたつもり」としたうえで、「学生の安全確保のため、先送りできない。権限なく居住していることを法的に認めてもらいたく、提訴にいたった」と説明した。
一方、吉田寮自治会の松本拓海代表(23)は「温厚な話し合いを求めてきたが、法的措置を取ったことを残念に思う」と話した。