台湾与党「独立派」頼氏が路線修正 総統選にらみ中間層や米国配慮か

25日、台北市内で、日本メディアとの会見に応じる頼清徳前行政院長(田中靖人撮影)
25日、台北市内で、日本メディアとの会見に応じる頼清徳前行政院長(田中靖人撮影)

 【台北=田中靖人】台湾の与党、民主進歩党で2020年1月の総統選への立候補を表明している前行政院長(首相に相当)の頼清徳氏(59)が、「台湾独立」をめぐる従来の路線を微妙に修正し始めた。

 頼氏は26日までに産経新聞などと会見し、「台湾独立という言葉は誤解され汚名を着せられている」と発言。自身が掲げる「台湾独立」は「台湾はすでに主権独立国家だ」という意味だと強調した。

 その上で「両岸(中台)の現状を変えるのは独立派ではなく(中国との)統一派の方だ」と述べ、自身を「現状維持」勢力だと位置づけた。

 有権者による直接投票となる総統選を見据え、対中関係で中間層にも配慮する一方、中台問題の先鋭化を警戒する米国に説明の余地を残したとみられる。

 民進党は5月下旬以降に総統選で党公認候補を決める。

 ただ、頼氏の発言が路線修正と受け止められれば、再選を目指す蔡英文総統が掲げる中台関係の「現状維持」との差が曖昧になる。

 頼氏支持層は蔡氏の「現状維持」路線に不満を持つ独立派が中心で、支持層の離反を招くリスクもある。

 頼氏は会見で「蔡氏(の路線)とどこが違うのか」との質問に、「国民が判断することだ」と述べるにとどめた。

 頼氏は26日、米共和党でトランプ陣営の選挙事務所にいたイエーツ氏と台南市で会談し、こうした考えを伝えたとみられる。

 イエーツ氏は16年12月、大統領就任直前のトランプ氏と蔡氏との電話協議の実現に関与したとされる。

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