天才を育てた師匠 杉本昌隆八段(5)成長する姿を見せながら 「黙って見守る師匠でありたい」

天才を育てた師匠 杉本昌隆八段(5)成長する姿を見せながら 「黙って見守る師匠でありたい」
天才を育てた師匠 杉本昌隆八段(5)成長する姿を見せながら 「黙って見守る師匠でありたい」
その他の写真を見る (1/3枚)

 将棋の最年少プロ、藤井聡太七段(16)の師匠、杉本昌隆八段(50)への独占インタビューの最終回。杉本八段の、いわば師匠哲学が心に残ります。(聞き手・中島高幸)

 --何歳で弟子をとったのですか

 杉本 30代前半ですね。現在、指導棋士となった竹内貴浩四段が最初の弟子でした。彼は地元を中心に普及活動をしています。

 --現在、弟子は何人おられるのですか

 杉本 プロは藤井聡太七段、女流は室田伊緒女流二段と中澤沙耶女流初段。そのほか奨励会に5人います。

 --「教えることに専念したいわけではない」とおっしゃってました

 杉本 自分はどこまでいっても道半ば。そもそも教えるという概念があまりない。指導とか学ぶという関係でなく、同じ道を志す先輩と後輩という関係でありたいです。

 --ご自身の経験も影響しているのでしょうか

 杉本 私が師匠の門下に入ったとき、兄弟子が4人おり、夜中に買い物に行かされたりしました。師匠には悪い思い出はありませんけど、先輩後輩関係では、疑問をもっていました。だから、自分が師匠になったときは、先輩だからいばっているとか、後輩は言うことを聞かなければならないという空気はなくしたかったんです。純粋に技術を競い合える関係をつくりたかった。

 --昨年刊行された『弟子・藤井聡太の学び方』(PHP研究所)には「師匠に威厳はいらない」と書かれていました

会員限定記事会員サービス詳細