「特別に緊張した」涙の張本、男子単16強で敗退 卓球世界選手権

 張本が16強で涙をのみ、2度目の世界選手権個人戦が終わった。25日、男子シングルス4回戦で韓国の若手、安宰賢(アン・ジェヒョン)に2-4で敗れ、「負ける試合ではなかったが、特別に緊張してしまった」。課題とされるメンタルのもろさが顔をのぞかせた。

 敗因の一つは、サーブレシーブのまずさ。軌道の変化が強烈な相手サーブに得意のバックハンドレシーブ、チキータをなかなか出させてもらえず、「次のボールを考え過ぎた」と返球が単調になった。

 「普段は第1ゲームが終わると緊張が解けるのに、最後まで嫌な感じ」を抱えながら試合は続く。第5ゲームを終えて2-3と後がなくなったが「なかなか勝つイメージはなかった」という15歳に、逆転する力は残されていなかった。

 準決勝まで中国選手と当たらない組み合わせに恵まれた今大会。しかも準決勝で顔を合わせるとみられた世界2位の許●(=日へんに斤)(きょきん)は3回戦で姿を消した。日本の男子シングルス40年ぶりのメダル、さらには決勝進出にも期待は膨らんだが、「あと少しでメダルというところで少し守りに入った」。準々決勝に進んだ前回大会の成績を上回ることすら、できなかった。

 地元開催の東京五輪では、今大会とは比較にならない重圧を背負う。日本のエースに、克服しなければならない課題が浮かび上がった。(ブダペスト 岡野祐己)

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