「体制の保証が必要」金正恩氏との初会談でプーチン氏、共闘姿勢鮮明に

 【ウラジオストク=小野田雄一】ロシアのプーチン大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は25日、露極東ウラジオストクで初の首脳会談を行った。プーチン氏は北朝鮮の非核化への「努力」を評価。非核化実現に先立ち体制保証や制裁緩和が必要だとする北朝鮮側の主張を支持する姿勢を示した。金氏も「両国関係の強化は確固たる戦略方針だ」とロシアとの対話を継続する意思を表明。露朝の共闘姿勢が鮮明になった。露朝首脳会談は2011年以来、8年ぶり。

 会談後に単独で記者会見したプーチン氏は「武装解除に当たる非核化の実現には、北朝鮮の体制維持への国際的な保証が必要だ」と指摘。将来的に多国間協議も必要になるとの認識を示した。「問題は力でなく、法で解決されるべきだ」と述べ、完全な非核化までの制裁維持を強調するトランプ米政権を牽制(けんせい)した。金氏から会談内容を米国に伝えるよう依頼され、承諾したことも明らかにした。

 2月の米朝首脳会談が物別れに終わった中、北朝鮮はロシアを介して米国に自身の主張の正当性を訴え、体制保証や主要制裁の緩和を引き出したい考えがある。ロシア側にも朝鮮半島問題への関与を深めることで、国際的影響力を高める狙いがあるようだ。

 プーチン氏は、朝鮮半島を縦断するガスパイプライン建設や鉄道連結、北朝鮮労働者の受け入れ問題などを金氏と協議したと説明。いずれも制裁緩和が前提で今後、国際社会に緩和の必要性を訴えるとみられる。

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