パナソニックが、製造販売する電動アシスト付き自転車の全車両に、インターネットに接続して走行データ分析やサービス提供などに活用できるIoT機能を搭載する方向で開発を進めることが24日、分かった。5月にはパナソニックが手がけるスマートシティー(環境配慮型都市)で、IoT電動自転車によるシェアサイクルの実証実験を始め、開発を加速させる。
自転車事業子会社「パナソニックサイクルテック」(大阪府柏原市)の野中達行社長が産経新聞のインタビューで明らかにした。野中氏は「電動自転車に必ずIoTユニットが付くことを目指す。そこから何を変えられるか、サービスを考えている」と述べた。
リゾート地でも実験
5月に開始する実証実験で用いるIoT自転車は、スマートフォンで電子錠の施錠・解錠や利用料金の決済ができるほか、衛星利用測位システム(GPS)で走行経路や駐輪データを収集できる。各種データはインターネットを通じてクラウドサーバーで保存・分析する仕組みだ。
今年度中には観光地のレンタサイクルにスポーツタイプのIoT電動自転車を投入し、実験を拡大する。
さらに「商店街やチェーン店と提携し、IoT自転車で訪ねて買い物をするとポイントがたまるような新たなサービスを検討していく」(野中氏)という。
グループのノウハウ活用
電動アシスト付き自転車は大型のバッテリーを搭載し、IoT機器を搭載しやすい。野中氏は、パナソニックグループの情報通信機器のノウハウを生かして独創的な機能やサービスを開発すれば、市場をリードできるとみている。将来はIoTユニットを外販することも視野に入れている。