Jリーグ「令和は地域に根ざす」 昇降型ピッチなど構想 村井チェアマンインタビュー

 地域を重視し、今季からホームグロウン制度も導入した。J1のクラブは12~21歳の間に3季以上在籍した選手を最低2人登録することを義務づけた。各クラブが地域に根ざし、チーム哲学を醸成する狙いがある。「哲学がないと、監督が代われば戦い方が、社長が代われば育成への投資金額が変わるでしょ」。各クラブに色を求める。

 「平成」の時代、Jリーグのクラブ数は10から55に増え39都道府県に広がった。「令和」は? 「地域の社会、生活と、より関わっていく局面に入らないといけないと強く思う」。「拡大」から「深化」へかじを切る。

 ■平成とともに歩んだJ クラブは10→55に拡大

 村井チェアマンは平成の時代を「Jリーグの歴史はそのまま平成といっていい」と振り返り「スポーツに関わる人材を輩出し、育ててきた時代」と位置づけた。

 Jリーグは1993(平成5)年に10クラブで開幕、39都道府県55クラブまで拡大した。各クラブには約30人の選手がおり、現在は約1500人がプレーする。「指導者や従業員を含めると、Jリーグ全体で約5千人がサッカーで生計を立てている」という。

 プロスポーツを運営する環境で育った人材の一部は活躍の場を広げた。2016(同28)年に始まった男子プロバスケットボールのトップリーグであるBリーグ、将来のプロ化を視野に入れて18(同30)年秋に開幕した卓球のTリーグなどで貢献している。

 視聴環境が大きく変わった時代でもあった。家族で一台のテレビを囲む風景は様変わりし、Jリーグの試合は、17(同29)年からDAZN(ダゾーン)がインターネット配信している。「かつては考えもしなかった」と感慨を込めた。

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