参院選 組織どう動く

日本遺族会・水落敏栄会長「組織高齢化、青年部で活動強化」

 遺族会はこれまで代表を国会に送り続けてきました。私は10代目の会長ですが、政治家でなかった会長は1人しかいません。力を示す一つの手段が選挙だと思います。自民党が野党になったときもしっかり応援し、共に歩んできました。これまでの政権、与党にも活動を理解してもらい、遺族の処遇改善も図られてきました。

 国のために尊い命をなくした戦没者の遺骨収集や遺族に対する処遇は、本当は遺族が要望しなくても国の責任においてやってもらわないといけないことです。

 戦争によって海外で亡くなった約240万人のうち、112万柱の遺骨が現地に残されたままです。平成25年に党に特命委員会を作ってもらい、28年に遺骨収集を「国の責務」と記した戦没者遺骨収集推進法が成立しました。ただ、もっと早くできればよかった。戦後73年たち、現地も災害で地形が変わったり、住宅地が広がったりしています。証言してくれる人も減り、遺骨収集はだんだん困難になってきています。

 硫黄島(東京都小笠原村)でさえ、遺骨はまだ半分も帰ってきていない。国内なのだから何としても急がなくてはなりません。

 戦争で夫を亡くした女性は約45万人に上り、昭和40~60年代は活動の中心を担っていました。ただ、今は約2万人まで減り、私のような戦没者の遺児が中心です。その遺児も平均年齢は78~79歳で、行動できるのはあと5~6年でしょう。遺族会もそうですが、どの支持組織も高齢化しており、農業団体も医師会も年々票数が減っていると聞きます。

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