平成の科学(3)

「確実な地震予知は将来もできない」山岡耕春・日本地震学会会長

 --「できない」と言い切ったときの気持ちは

 「これで現実的、建設的な研究ができると思いました。予知はできる、できないという論争ばかりで、防災にどう役立てるかという議論が全くできていなかった。精度が不明なのに(警戒宣言で)電車を止めるのはやり過ぎじゃないかとか、予知といえば予算が取れるからやるんだろうとか実に不毛だった」

「スロースリップ」の発見は大きな進歩

 --平成は学問的に大きな成果もあった

 「GPS(衛星利用測位システム)によって、地震による地殻変動を迅速に把握できるようになったことが大きい。以前は地震発生後に現地で測量を行い、地殻変動を把握して断層の運動を突き止めるまで1カ月ぐらいかかった。それが最近は発生から1、2時間でできるようになっています。

 地震計などの観測網も充実し、世界の研究者がデータを共有したことで多様な現象が見つかりました。最大の発見は『スロースリップ(ゆっくり滑り)』。南海トラフのプレート境界で起きる微振動です。

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