平成の科学(3)

「確実な地震予知は将来もできない」山岡耕春・日本地震学会会長

 「昭和の時代は、なんとかなるだろうと思われていて、53年には地震予知を前提とする大震法(大規模地震対策特別措置法)が成立しています。でも研究はうまく進まず、平成に入ると前兆は簡単には捉えられないと思われ始めた。そんな矢先の平成7年、阪神大震災が発生。国は地震予知より、発生リスクを評価し防災に役立てる地震防災の重視に方針転換しました。

 23年の東日本大震災も予知できなかった。予知が可能とされていた東海地震と同様に、日本列島を載せた岩板(プレート)の下に海側のプレートが沈み込んで、その境界面が急激に滑って起きるプレート境界型地震でした」

 --予知はできないとする報告書を25年にまとめた

 「内閣府が24年に設置した、南海トラフ地震の予測可能性を検討する調査部会で私が座長を務め、地震研究の状況を詳しく調べました。その結果、現在の科学的知見からは確度の高い地震の予測は難しいとの結論に至りました。29年には、地震予知を前提とした大震法に基づく対応は見直しが必要とも報告しました。

 昭和時代は、社会の期待にお尻をたたかれ、予知は実現されるべきであるというお題目が先走っていた。予知が東海地震の防災の要とされたことも、プレッシャーとなったと思います」

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