その他の写真を見る (1/2枚)
肉食恐竜のティラノサウルスの仲間の化石を岩手県の約9千万年前の地層から発見したと早稲田大などが19日、発表した。白亜紀後期(1億~6600万年前)では国内初の確実なティラノサウルスの仲間で、新種とみられるという。
化石は長さ約9ミリで、上顎の前方の歯とみられる。断面がD字形などの特徴からティラノサウルスの仲間と判明した。体長は推定で約3メートル。
久慈琥珀(こはく)博物館(岩手県久慈市)の採掘体験場で昨年6月、来館した高校生が発見。早大の平山廉(れん)教授と国立科学博物館が詳しく調べていた。
ティラノサウルスは、最大級の肉食恐竜として有名な北米の「ティラノサウルスレックス」のほか、多くの種類がいた。今回の化石は、物をかみ切る部分にのこぎり状の凹凸がない特徴を持つが、どの種類かは分かっていない。手や足などの化石も見つかれば新種と判明しそうだという。
会見した平山氏は「9千万年前のティラノサウルスの仲間の化石は世界的に希少。この時代の発掘が続けば、時期により体が大きく変化したティラノサウルスの仲間への理解が深まる」と話した。