聞きたい。

小林さやかさん 『キラッキラの君になるために』

小林さやかさん 『キラッキラの君になるためにビリギャル真実の物語』
小林さやかさん 『キラッキラの君になるためにビリギャル真実の物語』

 □『キラッキラの君になるためにビリギャル真実の物語』

 ■「自分」次第で人生楽しく

 平成25年に出版された120万部超のベストセラー『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』。主人公・ビリギャルの塾講師だった坪田信貴さんの著書だが、本書は、ビリギャル本人が受験の舞台裏と、その後をつづり、後輩たちに熱いエールを送っている。

 「講演とかさせてもらうと、『ビリギャルが心の支え』って言ってくれる子がすごくいる。坪田先生の本のおかげだけど、私にも何か使命があるんじゃないかって逆に教えられた」

 その使命が「キラッキラの目をして生きていく後輩たちを増やす」こと。本書でも自身の経験から、ワクワクする目標を「自分」で設定▽根拠のない自信を持つ▽コーチを、探せ-など「夢を叶(かな)えるための6つの法則」を披露。また学生生活、就職、転職、結婚、離婚…とその後の波瀾(はらん)万丈から得た思いも伝えている。

 「一番言いたいのは自分で考えるってこと。SNSとかで情報はあふれているけど、自分で考えて意思を持ち、人に伝える力がないと応援してもらえない。私はコミュ(ニケーション)力だけはあって、出会い運と愛嬌(あいきょう)で生きてきたから」

 本書でも「やばくね?」「意味なくね?」「最高じゃね?」など随所でギャル語サービスのご愛嬌。また坪田講師のような「ワクワクさせてくれる大人」との出会い、子供の味方になる母親ら家族や学習、教育環境の大切さを訴え、「挑戦しないと何も始まらない」「人生は自分次第で楽しくできる」と語りかける。これぞビリギャル版「君たちはどう生きるか」か。

 自身も、31歳になったこの春から、都内の大学院で教育学を学び始めた。

 「学校教育、家庭、地域はどうあるべきか。ビリギャルの話は奇跡じゃない。なぜ私にできたのか、もっと理論的に説明できるようにまだまだ学び続けたい」

 〈ビリギャルは結構オトナになっているのです〉

 納得!(マガジンハウス・1400円+税)

 三保谷浩輝

【プロフィル】小林さやか

 こばやし・さやか 昭和63年、名古屋市生まれ。慶応大総合政策学部卒。ウエディングプランナーなどを経て、現在は講演活動やイベント企画を手掛ける。

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