大手テクノロジー企業が打ち出した「有意義な時間」の罠

ダンやフリーダムのスタッツマンは、iOSとAndroidに追加された独自ツールはあまりに単純すぎると考えている。ふたりはまた、アップルもグーグルも、閲覧時間に関する製品のAPIを用意していないと指摘している。つまり、サードパーティー開発者による機能の追加は不可能ということだ。

さらに複数の業界関係者が、大企業は開発者たちを閉め出すつもりだと確信している。18年11月、複数のデジタルウェルネス用アプリが突然、「App Store」から抹消された。一部の人はこの動きについて、アップルはiOSに搭載されたツールのみを使わせようとしていると受け止めた。

「デジタルウェルネス」という単語が普及したいま

スタッツマンはこう語る。「もし『有意義な時間』を約束する製品が、シリコンヴァレーの大企業だけのものになるとしたら、人がテクノロジーをコントロールできるという概念は幻想になります。これは、こうしたツールから恩恵を得られるであろうすべての人に、大きな損失をもたらすことになるでしょう」

とはいえ、18年に起きた運動の成果を軽視するわけではない。アップルやグーグルなどの大企業が「デジタルウェルネス」という言葉を使うことで、ひとつの草の根運動が日常会話に登場するようになり、より多くの人が「テクノロジー依存症」という問題の大きさを理解できた。

しかしそれでも、だまされてはいけない。スマートフォンはいまも、あなたの注意を引くための戦場だ。大手テック企業は、あなたの注意を独占するための新たな方法を次々と見つけ出している。

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