平成史

「近ごろ都に流行るもの」で見る変遷

 細く眉を整える行為は中世以前より見られ、現代においては昭和のヤンキー文化に発祥し、威圧的な表情作りに効果がある。細眉、厚底、ガングロ、金髪…。当時のギャルの間で流行したあらゆるモノが、競争意識と目の慣れから、異形なまでに過剰になっていきました。髪色が明るければ自然の黒い眉毛は浮いてしまうので、「金眉」が登場したのは必然といえます。

 10年代半ばからは男性ウケを重視した「モテ可愛(カワ)」な装いが流行し、極端な細眉は減っていきました。

 そして23年の東日本大震災後は自然派でシンプルなライフスタイルが支持され、メークやファッションにおいても肩の力が抜けた。その象徴がナチュラルな「薄太眉」です。

 現代の若い女性は、かつてのように憧れの芸能人に無理に似せるのではなく、インスタグラムを活用して身近なお手本を探り、自分らしさを大切にしている。思えば、ボディコン世代もギャル世代も頑張ってダイエットをしていましたが、今の若い女性は甘い物を食べ、体形もありのままを受け入れていますね。

 ユルっとした服の流行と定着、渡辺直美さんなどぽっちゃりタレントの活躍も大きいと思います。そして堂々とショートパンツ姿で街を闊歩(かっぽ)する。男性の目はあまり気にしない。それを「成熟」と呼んでいいのかもしれません。 (「東京ファッションクロニクル」著者)

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