菅義偉官房長官は5日午前の記者会見で、米大リーグを引退したイチロー元選手に対する国民栄誉賞授与の検討を見送ることを明らかにした。イチロー元選手の代理人を通じて打診したところ「人生の幕を下ろしたときにいただけるように励みます」と辞退の連絡があったという。
菅氏は「ご本人の気持ちを尊重し、現役引退に伴う検討を見送ることとした」と述べた上で「イチロー選手はこれまでも多くの方に夢や希望を与え続けてきたスーパースターだ。国民とともに今後の活躍を楽しみにしたい」と語った。
政府は、イチロー元選手が日米通算4367安打、10年連続200本安打を記録するなど授与にふさわしいと判断し、国民栄誉賞の授与を検討していた。イチロー元選手は平成13年と16年にも授与を打診されたが、固辞していた。
最近の国民栄誉賞は、昨年7月に五輪2連覇を果たしたフィギュアスケート男子の羽生結弦選手が受賞している。