鳥取の出土人骨をDNA解析 日本人は複雑なハイブリッド?

 日本人の成り立ちで定説になっているのが、弥生時代に大陸から渡来した人と縄文人との混血が、北部九州から東へと移っていき、現在の日本人につながっているとする「二重構造説」だ。

 現代の日本人には縄文系のハプログループが20~30%あるという。ところが、同遺跡の人骨のミトコンドリアDNAの解析では、縄文人が持っていたハプログループはわずか3%にすぎず、弥生時代も後期なのに縄文人と渡来系の弥生人の混血が進んでいなかったようにみえる。

 またハプログループが多様だということから集団の特徴も明確になった。長い時代にわたって同じ場所に住んできた「ムラ」では、特定のハプログループが突出する傾向があるとされる。母系がつながっている人たちがずっと住み続けた結果だ。これに対し、母系がバラバラの同遺跡の人たちは、血縁関係のない人たちが住み合わせる「都市」的な人模様だったと考えられる。

 同遺跡はこれまでも、出土した遺物の性格などから「日本海の交流拠点」だったと考えられてきた。ミトコンドリアDNA解析の結果はそれを裏付けるように、人が盛んに行き来していたことを示した。

 一方、1万6500の塩基からなるミトコンドリアDNAに対し、核DNAは30億からなるため解析には時間がかかり、解析結果が公表されたのは今年3月だった。サンプルとして選んだ6人分の人骨について核DNAを解析し、4人からY染色体の塩基配列データが得られた。そのハプログループは大半の3人が縄文系だった。