鳥取の出土人骨をDNA解析 日本人は複雑なハイブリッド?

 同遺跡が注目されたのは弥生時代後期(2世紀)の人骨が大量に見つかり、しかも保存状態がよかったからだ。低湿地にあり大気から遮断された同遺跡は腐敗菌の繁殖が抑えられ、それまでも状態のいい木製品などの遺物が多数出土、地下の弥生博物館ともいわれている。

 人骨も例外ではなく、頭蓋骨3点からは、腐りやすいはずの脳も見つかっている。

 研究では、頭蓋骨と歯から微量のサンプルを採取し、人の設計図であるDNAの塩基配列を調べた。DNAは親から子へと受け継がれる際、突然変異を起こす。その突然変異を通じて塩基配列が似ているグループを「ハプログループ」という。人骨のDNA解析でハプログループを決定し、世界のハプログループの分布と照らし合わせれば、青谷上寺地遺跡の弥生人たちがどこの集団に由来するのか、祖先をたどれるというわけだ。

 DNAの解析は、細胞にある「ミトコンドリア」と「核」について行った。ミトコンドリアは母親から変化せずに受け継がれるため、ミトコンドリアのDNAは母系を正確に示す。一方、核DNAのY染色体は男=父しか持たないため、父系をたどれる。このうち、最初に結果が出たミトコンドリアDNAの解析は、考古学関係者らに衝撃を与えた。

 国立科学博物館の篠田謙一副館長らの昨年11月の発表によると、32人分の人骨のミトコンドリアDNAを解析したところ、ハプログループは29種にも分かれ、互いに密接な血縁関係がないことが判明。大部分が大陸の渡来系のハプログループで、日本在来の縄文人が持っていたハプログループは1人だけだった。

日本人のルーツ「二重構造説」