探査機「はやぶさ2」が4日午後1時ごろ、小惑星「リュウグウ」に人工のクレーターを作製するため降下を開始した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が発表した。地下の物質を掘り出して採取するのが目的だ。順調にいけば5日午前11時ごろ、地表に弾丸を発射するための衝突装置を分離する。
地球から約3億1千万キロ離れたはやぶさ2は、相模原市にある管制室からの信号を受け、通常の観測位置の高度約20キロから降下を開始した。計画では4日深夜、高度約4・5キロで自動運転を開始し、秒速10センチでさらに降下。高度約500メートルに達した後、5日午前10時56分に装置を分離する。
40分後に装置が爆発して銅の弾丸を発射。秒速2キロで赤道付近の直径400メートルの範囲内に弾丸を衝突させ、クレーターを作る。
はやぶさ2は爆発と弾丸発射による装置の破片や岩石の飛散から身を守るため、爆発前にリュウグウの裏側に退避する。爆発の様子は機体から分離するカメラが撮影。地球に届く画像で岩石が飛び散る様子などが確認されれば、ほぼ成功と判断できるという。
クレーターや周辺の様子を観測した後、5月下旬にも付近に着地し、露出した地下の物質を採取する。2月の着地で採取を試みたのは地表の物質だった。