朝晴れエッセー

少年野球・4月3日

私が一日中テレビで野球観戦をしていた影響か、息子が野球を習いたいと言い出したのは小学校3年生のときだった。少年野球のサポートの大変さは聞いていたし、夫は野球嫌い、私は車の運転が苦手で、夫婦で大反対した。それでも息子は泣いて訴え、その涙で私も覚悟を決め、近所の球団に4年生の春に入団した。

チームの母が試合のスコアを記録するスコアラーを担当すると聞き、私も挑戦することにした。投球はストライクなのかボールなのか、投球数、打球の飛んだ方向、進塁場所、どの野手がボールを捕球してどの塁でアウトにしたか等々、すべて記録しなければならず、一瞬も目を離せない。書くことに必死になると、見ていない間に走者が進塁したりアウトになっていたりする。

ひたすら練習を重ね、いよいよスコアラーデビューの試合の日、グラウンドの景色がいつもとは違って見えた。新緑の季節でもあったが空は青く、グラウンドは広々としてキラキラ輝いていた。きっとスコアラーだからこそ見える景色だと思った。

監督のぼやきやコーチの怒鳴り声、選手たちの応援歌を片耳で聞きながら、息子たちと白球の行方を見つめた3年間はかけがえのない貴重な時間だったと思う。

息子はこの3月、チームを卒団する。私もスコアラー卒業だ。親子共に元気で野球ができたこと、周りのすべての人に感謝してこれからも好きなことに全力で挑戦していこう。

吉田 典子 47 主婦 大阪府和泉市