トヨタ自動車は3日、ハイブリッド車(HV)など電動車の関連技術の特許約2万3740件を無償で開放すると発表した。電動車の製品化に向けた技術支援も行う。モーターやシステム制御などの技術が対象で、世界的に環境規制が厳格化される中、他社のHV導入を促す。HV市場そのものを拡大させることで、関連する部品の供給量を増やし、コスト低減につなげる狙いもある。主要部品を共用する電気自動車(EV)の低コスト化も視野に入れているようだ。
開放する特許はトヨタが20年以上のHV開発で培ったもので、モーター関連約2590件、システム制御約7550件、充電機器約2200件など。期限は令和12(2030)年末まで。
トヨタに申し込み、具体的な実施条件などを協議の上、契約を締結する。技術支援は有償で、車両の電動化システム全体の調整に関する助言などを行う。
名古屋市内で3日、記者会見したトヨタの寺師茂樹副社長は「エコカーは普及してこそ環境に貢献できる」と強調。トヨタの技術を活用したHVが他社から出てきても、「技術を進歩させ、競争力がなくならないようにする」と話した。