【老舗あり】沖縄県名護市 喫茶ワシントン タコスで蘇る辺野古「米軍基地に育てられた」(2/2ページ) - 産経ニュース

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老舗あり

沖縄県名護市 喫茶ワシントン タコスで蘇る辺野古「米軍基地に育てられた」

 ところが、ドルが弱くなり1ドル200円になったころには辺野古の活気が失われていく。米兵にとってハードルの高い町になった。大学卒業後に料理学校やフランスで修行した朝輝さんは、那覇市内でフランス料理屋を開いた。朝輝さんが店を5軒に広げる一方で、ワシントンは平成12年に営業をいったん終了した。

普天間移設で帰る

 朝輝さんが19年に辺野古へ戻った理由も基地だった。日米両政府が米軍普天間飛行場(宜野湾(ぎのわん)市)の代替施設を辺野古に建設することで合意したからだ。朝輝さんの妻、明美さん(59)は宜野湾市普天間出身。「一足先に移設しました」と笑う。

 店は「喫茶ワシントン」として営業を再開したが、辺野古の活気は戻らず1年で店じまいした。朝輝さんは「外から来た移設反対派が居座っているので、米兵はトラブルになるから辺野古に行くなといわれている」と話す。シュワブの米兵にとって、居心地の良い遊び場は金武(きん)町や沖縄市のようだ。

 それでも今年1月、店を再開した。昨年2月の名護市長選で辺野古移設を事実上容認する候補が当選したことで、町の活性化が進むと期待した。ワシントンの周辺では米兵相手のバーやタトゥー・パーラーが開業し、客足も順調だ。

 復活したワシントンの目玉は、やはりタコスだ。皮は栄次郎さんが焼き、朝輝さんと明美さんがミンチやソースを仕込む。パリパリの皮と新鮮な野菜が食感を楽しませ、辛みのある肉が追いかける。ビールを飲みたくなる。往時のにぎわいがよみがえる味だ。(那覇支局長 杉本康士、写真も)