きょう元号 最多は「永」、「明治」は11回目の正直

お寺の名前など、元号を冠したものも多いわけで、今も使い続けることによって、歴史の中の名称を身近に理解できるわけです。それに、世界の中ですでに日本だけの伝統になっているものを残すことには意味があると思います。これだけ長く続いてきたものを、なくすということはなかなかできることではない。

元号の出典はこれまで漢籍ばかりでしたが、日本の古典に求めるべきではという意見もありますね。ただ、日本の古典から取れば日本の伝統になるかというと必ずしもそうではない。漢字2文字で付ける、という元号制定手続きの縛りがありますので、六国史(りっこくし)のような日本の歴史を書いた漢文の書物から取ることになるのでしょうが、漢文で書かれた日本の古典というのは基本的に中国の文化的影響下にあるわけですから。

元号についてはかつて論争もありましたが、今後は政治的な意味を持たず、日本的伝統としてなじんでいくのではないでしょうか。次の元号も、今の平和な世の中が長く続くような願いを込めたものになるでしょうし、またそうなればいいなと思います。(談)

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