【主張】小学校の英語 過熱化で国語軽視招くな - 産経ニュース

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小学校の英語 過熱化で国語軽視招くな

 先生たちが慌てて英会話教室に通っても間に合わない。来年4月から小学校5、6年生で正式教科となる英語の教科書検定が初めて行われ、その内容が公表された。

 英単語600~700語程度が盛り込まれ、学ぶ会話もかなりハイレベルだ。これを十分教えられる小学校教員はどれだけいるだろうか。

 指導態勢など実際の授業への懸念は拭えない。英語に気を取られ、国語力の育成がおろそかになっては元も子もない。

 現在、英語に親しむ「外国語活動」の授業が週1コマある。新学習指導要領でそれを3、4年生に早め、5、6年生では教科として週2コマ行う。

 「聞く」「話す」を中心に英語に慣れ親しむことに加え、「書く」「読む」を含めた4技能をバランス良く学ぶねらいだ。教科書検定もこれを踏まえて行われ、7社が申請して合格した。

 教科書は日常場面を想定した会話を中心に、身の回りの単語をイラスト付きで紹介し、音声教材を活用するなど配慮がされている。一方で「What do you want to be?」と、何になりたいかを聞いて職業や夢を語る会話などもあり、かなり高度な内容も含まれる。

 外国語指導助手(ALT)らを活用するにしても、基本的に学級担任が指導にあたるから、教科化に不安を抱える教員も少なくないようだ。素人が素人を教えて英語は身につくだろうか。

 国際化の中で就職に有利などとして幼少のころから英会話教室などに通わせる親の「英語熱」は高く、学校教育への求めも多い。

 しかし早くから学べば英語ができるようになると考えるのは安易だ。英語を日々使う環境がなければ、すぐに忘れて身につかないことは専門家も指摘してきた。

 教科化で中学受験に英語を導入する私立が増えるなど、早期化が過熱する悪循環に陥れば、英語に親しんで好きになるという本来の趣旨も損なわれよう。

 確かに幼児期から小学校にかけては言語吸収力が高いとされる。だが国語の基礎が形成される大切な時期であることを忘れてはならない。国語力が思考を支え、理系を含め、あらゆる知的活動の基礎であることはこれまでも指摘してきた。小学校で重視すべきは英語より国語である。