立民・枝野氏、共闘より単独主義の思惑

 立憲民主党の枝野幸男代表が、他の野党と一定の距離を置く「単独主義」を際立たせている。夏の参院選に向けた共闘の機運に相反する姿勢の底流には、結党直後の平成29年の衆院選で得た「教訓」があった。

 立憲民主党は26日にまとめた活動方針で、次期衆院選の候補擁立を急ぐ方針を示し「前回他党や無所属で立候補し、立憲民主党と政策理念を共有する方」を公認の対象に含めると明記した。国民民主党など他党の議員らの「引き抜き」を示唆し、旧民進党出身者への対抗馬擁立を原則避けた29年の衆院選とは「状況が違う」(枝野氏)との認識を鮮明にした内容だ。

 「政権構想委員会」設置も盛り込み、党単独で政権獲得を目指す姿勢を掲げたほか、国民民主党などに待望論がある夏の参院選での比例代表統一名簿の可能性は明確に否定した。

 多くの旧民進党出身者が異口同音に唱える「大きな固まり」という言葉を、枝野氏は積極的には口にしない。29年衆院選のわずか約3週間前に結成した立憲民主党が議席を3倍以上に増やす躍進を遂げた経験を通じ、あることに気づいたからだ。枝野氏は衆院選直後の講演でこう語っている。

 「『野党再編』は嫌いなんですね、国民は。『自民党に代わりうる政権担当能力のある政党』って、何か言っているようで何も言っていない。自民党と何が違うのかを言わないと永田町のゲームにしか見えない」

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