父の教え

タレント・河島あみるさん 「酒と泪と男と女」英五さん

 「大人より子供の方が新しい人間だからえらい。子供だからと遠慮せず言いたいことを言えばいいねんで」と常々口にした父。仕事現場でも新人スタッフをかわいがり、晩年経営を任された大阪・桃谷のライブハウス「ビーハウス」では後進のミュージシャンに演奏の場を提供するなど、とりわけ若者へのまなざしが温かかった。

 現場で、だれかから「お父さんには新人時代にすごく良くしてもらった」と聞かされるたび、「若い人の意見を大事にした父。私もそんなふうに仕事ができたら」と強く感じた。

 平成13年に48歳で亡くなった父と同年代にさしかかり、父と同じく3児の親に。「早く大人になれ。好きなようにやりたい仕事をして、旅にだって自由に出られる。大人はいいぞ」と笑っていた父の生き方は、自身の子育ての指針にもなったようだ。9歳になった長女は、動画配信サイトで「英五じい格好いいよね」と歌声に聞き入り、母の背中を見て「私もしゃべる仕事がやりたい」と言い始めた。

 「楽しそうにやり過ぎたかあ」。気づけばかつての父と同じせりふを、心のなかでそっとつぶやいていた。(木ノ下めぐみ)

 ≪メッセージ≫

 会ったことはないけれど、あなたの孫たちはYouTubeで会える英五じいを誇りに思っていますよ! カッコいい大人の姿を見せてくれてありがとう!

【プロフィル】河島英五

 かわしま・えいご 昭和27年、大阪生まれ。高校時代に結成したフォークグループ「ホモ・サピエンス」のリーダーとして、50年デビュー。ヒット曲は「酒と泪と男と女」「時代おくれ」「野風増(のふうぞ)」など。平成13年4月16日、肝臓疾患のため死去。

【プロフィル】河島あみる

 かわしま・あみる 昭和52年、大阪生まれ。NHK大阪「ぐるっと関西おひるまえ」のキャスターや、ラジオ大阪「あみるのママで」など、関西を中心に活躍中。自身がプロデュースした「テンテンカフェ」(奈良)でカルチャーサロンも開いている。

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