江戸時代の天皇即位式描いた版画、園城寺法明院で発見 大津市歴史博物館で展示始まる

 江戸時代の東山天皇の即位式(1687年)を描いた版画が、大津市の園城寺法明院で見つかり、市歴史博物館で展示が始まった。延暦寺の僧覚深(1637~1707年)が儀式の様子を書き加えており、同博物館は「代替わりを生々しく伝える史料」としている。5月12日まで。

 版画は縦約65センチ、横約120センチ。鮮やかに彩色され、天皇が鎮座する「高御座」を前に宮家の人々や高級官僚が集う様子が描かれている。人名や参加者の動作も細かく書き込まれており、東山天皇については「灌頂(密教儀式)の後、紫宸殿の高御座へおいでになった」などと記していた。

 奥書で覚深は、1687年の「初夏中旬」(旧暦の4月中旬)にこの絵を手に入れたと記していた。代替わりにまつわる行事は旧暦3~4月にかけて執り行われており、覚深は、東山天皇即位式を見聞きして当時の様子を書き込んだ可能性があるという。

 この即位式については、ほぼ同じ構図で、狩野景信が描いた「東山天皇御即位式・霊元上皇御譲位行列図屏風」がある。

 同博物館は「代替わりの年に見つかるとは。直接見た人しか分からない内容が書き込まれており、有職故実を知る上で貴重だ」としている。

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