宮城刑務所の歴史知って あすからシンポ 政宗晩年の居城・若林城跡

宮城刑務所近くに建つ、若林城跡を示す碑と案内板=18日、仙台市若林区(塔野岡剛撮影)
宮城刑務所近くに建つ、若林城跡を示す碑と案内板=18日、仙台市若林区(塔野岡剛撮影)

 初代仙台藩主の伊達政宗が晩年8年間を過ごした居城「若林城」の跡地に建てられた宮城刑務所(仙台市若林区)。その歴史を知ってもらおうというシンポジウム「宮城刑務所の過去・現在・未来」が21、23、24日の3日間、東北福祉大仙台駅東口キャンパスで行われる。政宗の城下町プランに始まり、刑務所内での遺跡発掘の現状などの講演が行われる。

 シンポジウムは政宗に関連する歴史・文化的遺産の継承を目指す一般社団法人「心のふるさと創生会議」(代表理事・田中克人同大特任教授=写真)が主催する。

 明治12(1879)年、伊達家から買い上げた土地に新政府は「宮城集治監」を設置。大正11(1922)年に刑務所と改名され、現在に至る。

 宮城刑務所は老朽化が進み、平成17年から大規模な改築・建て替え工事中だが、城の遺構などの発掘調査が必要なため、工事が長期化。「改築完了には少なくとも、あと15年は必要」(同刑務所庶務課)な現状にある。同刑務所は医療重点施設でもあり「東北の他の刑務所より高齢化率が約10%高く、60歳以上の被収容者が今月1日現在で32%」(同課)という。

 田中さんは「受刑者の高齢化や時代に合った矯正施設とするため、移転を視野に入れたらどうか。移転後の若林城跡は文化財として観光にも役立てられる」と話している。

 21日は「過去」をひもとき、元仙台市博物館主幹の菅野正道氏が「若林城に見る政宗の築城意識」を講演。23日は「現在」で、宮城刑務所の安部玲所長が現状と課題を解説。仙台市文化財課の担当者が「発掘調査の現状」、法務省大臣官房審議官が「出所者の社会復帰への期待」を語る。24日は「未来」。伊達遺産の世界遺産登録の可能性についての講演やパネルディスカッションが行われる。

 いずれも午後2時から。参加希望者は同キャンパス生涯学習支援室(life@tfu-mail.tfu.ac.jp)に電子メールで申し込む。参加費は各回とも1千円。問い合わせは同室022・766・8834。

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