外交安保取材

日本政府が触れたくない過去…かつては「北方領土は二島」の見解

 その結果、共同宣言では平和条約締結後の歯舞群島と色丹島の引き渡しは明記したものの、国後、択捉両島については触れていない。日本側は「後の交渉に委ねた」と解釈しているが、ロシア側にとっては、歯舞、色丹の「二島返還」で幕引きを図るとも読み取れる。

 安倍晋三首相(64)とロシアのプーチン大統領が昨年11月、共同宣言を基礎に交渉を加速させることに合意したことで、「日本は歯舞、色丹二島の返還で手を打つのではないか」との憶測を呼んでいる。日本政府がどういう着地点を描いているにせよ、交渉の出発点が「二島返還」であっては「一島」すらおぼつかない。日本政府が「過去」を封印したい理由は、ここにある。

(政治部 力武崇樹)

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