日本では、昨年から「万引き」という言葉がメディアをずいぶん賑(にぎ)わせた。邦画「万引き家族」(是枝裕和監督)が国際的な映画賞の数々で脚光を浴びたからだ。
昨2018(平成30)年5月の第71回カンヌ国際映画祭では、日本人監督作品としては1997(平成9)年の「うなぎ」(今村昌平監督)以来、21年ぶりとなる最高賞のパルムドールを受賞。
今年になると、1月の第76回ゴールデングローブ賞で外国語映画賞の候補に。2月には第91回アカデミー賞で外国語映画賞の候補になった(ともに受賞はせず)。
そして米国ではいま、「万引き」ではなく、とある「窃盗(せっとう)」の顛末(てんまつ)がメディアを賑わせている。しかし、こちらは映画ではなく、何と、あのビートルズ絡みのお話なのだ。
2月28日付の米ABCニュース(電子版)などが伝えているのだが、地元の図書館からビートルズが表紙の雑誌を盗んだ人物が、その雑誌を約50年ぶりに郵送で返却してきたのだ。
米中西部オハイオ州北東部の街、パーマにあるクヤホガ郡公共図書館の分館(当時のパーマ・リッジ・ロード図書館)から盗まれたのは、ビートルズの4人を表紙に据え、彼らの特集を組んだ米誌ライフの1968年9月13日号だった。
この年の7月、英ではビートルズ初のアニメ映画「イエロー・サブマリン」が公開となり、翌年、映画のサウンドトラックが英米で発売され、大ヒットした。そんな51年前のビートルズが表紙のライフ誌が、突然、同公共図書館に郵送で届いたのだった…。