ところが、大阪市鶴見区の鶴見神社では、「量販店で購入したしめ縄飾りは燃やせない」と拒否している。同神社では節分の夜に年齢分の豆を持ち込んで、おはらいしてもらう風習がある。その際には持参したしめ縄飾りや古札を、ドラム缶のとんどでお焚き上げするのが一連の流れだった。同神社の花谷幸比古宮司は「量販店のものは、内側に不燃物の芯が入っていたり、わらの代わりに化学繊維を使っていたりするので分別ができない」と断る理由を説明する。
実は20年ほど前から、年賀状やおもちゃ、写真、人形など正月の縁起物とはまったく関係のない持ち込みが増えてきたという。「最近は財布やハンドバッグ、領収書などを投げ入れられることもあります。もうひどいもんですよ」と打ち明ける。モラルが低下した結果、近隣住民から煙や臭いなどの苦情が出るようになり、消防署の指導が入ったこともあった。
例外的に「とんど」OK
一方、1月15日にとんど神事を行っている大阪天満宮(大阪市北区)では条件付きでしめ縄飾りの焚き上げを受け付けている。「だいだいなどの飾り類は取り外してもらったうえでお預かりしている」と天満宮の関係者。やはりさまざまな持参品があるが、しめ縄飾りや松飾りなど、神事に関わるものに限定しており、干し柿やだいだい、鏡餅などの生の食べ物のほか、プラスチックの台やケースなども受け付けていない。
廃棄物処理法では、大気汚染物発生などが周辺環境に悪影響を与える可能性があるとして、野焼き行為を禁止している。