その他の写真を見る (1/2枚)
東京都豊島区は、池袋駅の東西を結ぶ地下道「ウイロード」の改修を進めている。2020年東京五輪・パラリンピックに向けた取り組みの一環で、気鋭の美術作家が壁や天井のデザインを手掛ける。地下道の「暗い、汚い、怖い」といったイメージを払拭(ふっしょく)し、これまで通行を敬遠していた女性らにも利用を促したい考えだ。今月には近隣の公園で天井画の公開制作が始まった。
ウイロードは、長さ77メートル、幅3・6メートル、高さ2・1メートルで、大正14年に開通した。1日3万人以上が利用するが、各所で漏水などの老朽化が進行。地下道のマイナスイメージも重なり、平日の女性の利用者は全体の約23%にとどまっている。このため、区は「明るい、きれい、女性に安心、快適性」をテーマにウイロードの改修に乗り出した。
改修のデザインは、化粧品のパッケージなどを手掛ける美術作家の植田志保さん(33)に依頼。地下道を水・土・金・火・木と名付けて5分割し、区の歴史や文化をモチーフにしたデザインにする。LED照明の照度も絵のデザインに合わせて変化させる。
改修費用は約3億6千万円。滑りにくい路面を採用したほか、監視カメラを増設したり自転車の降車を促す車止めを設置したりするなど、防犯・安全面の整備も進めている。
公開制作に先立ち、区はホームページなどでウイロードにまつわる思い出や、過去の写真などを募集。植田さんが直接区民から意見を聞く機会も複数回設け、デザインの参考にした。