ウイグル収容施設「虐待や自由制限ない」 中国全人代で自治区主席

 【北京=西見由章】中国全国人民代表大会(全人代=国会)の新疆ウイグル自治区分科会が12日、北京で開かれた。ショハラト・ザキル自治区主席は、少数民族ウイグル族らを強制的に収容しているとされる施設について「寄宿制の学校であり(収容者の)虐待や自由の制限はない」と主張した。目的は「テロリズムと過激主義の土壌を根本から除去するため」だとし、「過激化防止に効果があった」とも言及した。

 ショハラト氏は、過激主義が「宗教の仮面をかぶり文化水準が比較的低い民衆を惑わす」と強調。中国語や法制度などの「学習」を通じて多数の「受講者」がテロや過激主義は反社会的だと理解したと説明した。

 国連人種差別撤廃委員会は昨年8月、テロ対策を名目にウイグル族らイスラム教徒100万人以上が強制的に収容されていると指摘。トルコ政府も2月、ウイグル族への同化政策を「人類の大きな恥」と非難し、国際的な批判が高まっている。ショハラト氏は100万人以上が収容されているとの指摘に反論した。

 同自治区は昨年10月、「過激主義の影響を受けた人物の教育転化」を目的とした「職業技能教育訓練センター」を設立できるとの改正条例を成立させ、収容施設を合法化した。

 中国最高人民検察院(最高検)の張軍検察長も12日、全人代での活動報告で「暴力テロや民族分裂活動、過激な宗教活動を断固打倒する」と述べ、ウイグル族らへの取り締まりを強化する姿勢を示した。

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