がんと診断されて自身が衝撃を受ける中、子供にどう伝えるかは難しい。メンバーの古澤創(はじめ)さん(42)=新潟県上越市=は当初、小学生の子供たちにがんと診断されたことを伝えなかったが、転移が判明後、伝えた。不安定になるのではと悩んだが、予想を裏切るあっけない反応だったという。「子供は親が思うよりもしなやか。治療の効果があったときに喜びを共有できるようになったことは大きい」と話す。7歳と9歳の姉妹の母、山田栄子さん(39)=静岡県長泉町=は「子供も立派な家族の一員。一方的に話すのではなく、対話が大切」と訴える。
子供への伝え方については、がんになった親とその子供をサポートするNPO法人「ホープツリー」が、「子供の年齢に合わせて、適切かつ正確な情報を伝える」などの「10の秘訣(ひけつ)」を公開している。田中さんは「がんの治療は長いので、隠し通すことはできない。この絵本が子供とのコミュニケーションを深めるきっかけになれば」と願う。
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税込み1620円。問い合わせは生活の医療社(03・6820・8371)。