定年前と同じ仕事をしているのに基本給を半額に下げられ、ボーナスが支給されないのは、正社員との待遇に不合理な格差を設けることを禁じた労働契約法違反だとして、塗料製造会社「桜宮化学」(大阪市都島区)の嘱託社員の男性2人が8日、同社に計約930万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。
訴状によると、2人は60歳を迎えた平成29年に定年退職。翌日から嘱託職員として再雇用された。定年前と同じ仕事に従事しているが、定年前の基本給約38万円は再雇用後に半額になり、ボーナス支給されなくなった。2人は基本給半減とボーナス無支給は違法と主張。過去の判例などから定年前の8割は支給されるべきだとして、差額を支払うよう求めている。
原告らは提訴後の会見で「似たような労働条件で働いている人はたくさんいると思う。裁判所にいい判断を出してもらい、多くの仲間の希望にしたい」と話し、代理人の森博行弁護士は「正規・非正規の格差だけでなく、定年後の問題も放置できない」と述べた。