福島の除染土壌処理、難航 「約束が違う」住民反発

 現在は、帰還困難区域の飯舘村長泥地区で農地への活用実証の準備が進められている。かさ上げに使った除去土壌を遮蔽材で覆った上に土を重ね、作物を植える計画だ。昨年9月に整備工事が始まり、5月にも作付けに入りたい意向だ。

 難航しているのは住環境付近で行う実証事業で、同省は二本松市と南相馬市を候補地としたが、いずれも住民の反発を浴びている。

 二本松市では29年12月、市道約200メートルの整備に使う計画が発表されたが、住民説明会で反対の声が強く昨年6月、工事業者との契約を解除するに至った。同省は「現在は再検討の状態」とし、市は「環境省の計画。こちらから言うことはない」と静観の構えだ。

 南相馬市小高区では除去土壌を常磐自動車道の4車線化工事に使う計画。昨年12月、市や地元区長に説明しようとしたが、区長が反発し説明できない状態だ。地元住民も3055人分の反対署名を集め門馬和夫市長に提出、住民は「事故で苦労したのに、なぜ(汚染土を)福島で使うのか」と訴えている。

 環境省は7日夕、地元10行政区の区長に対し、非公開で事業の詳細を説明し理解を求めたが、全員が反対を表明。参加した区長の1人は「当初は中間貯蔵施設に(除去土壌を)入れると言っていたのに、工事に使うのは約束が違う」などと話した。

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