「女性差別は感情で解決できない」 話題の韓国小説家が来日(3/3ページ) - 産経ニュース

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「女性差別は感情で解決できない」 話題の韓国小説家が来日

 自身も仕事を辞めて進路に悩んでいた時期に「(問題を解決できないのは)不誠実で能力が欠けているからではないか、と自分を責めた経験があった」と言及し、「小説を書くなかで、私の経験は(自分のせいではなく)社会的な影響を受けているのではないかと思うようになった。広い心で(作家という)自分の選択を受け止めることができた」と話した。

慣習や制度変えて

 米国の映画プロデューサーによるセクハラ被害が明るみに出たことで昨年、世界中で広がった「#MeToo」。「82年生まれ~」もこうした時代の流れに乗って話題を集めた。

 斎藤さんは、「米国で始まった『#MeToo』は自分とは遠いと思っていたが、小説を読んで社会問題だと初めて気づいたと話す女性読者もいた。今まで(差別だと)認識されていなかった女性らの経験に声を与えてくれる力が『82年生まれ~』にはあった」と強調した。

 ただ、具体的な中身についてはここでは触れないが、この作品の結末(読後感)は決して爽快なものとはいえない。

 これについてチョさんは「状況を変えるのは難しいという悲観論ではなく、個人的な感情で解決できる問題ではないということを訴えたかった。女性差別は、慣習や制度が変わらないと解決しないという思いを込めてラストを書いた」と明かした。

 記者会見の後、芥川賞作家の川上未映子さんらも交えてトークショーも開催された。女性を中心に400人の観客が集まり、日韓の女性を取り巻く差別や問題点、韓国文学の今後などについて交わされる議論に耳を傾けた。