「女性差別は感情で解決できない」 話題の韓国小説家が来日(2/3ページ) - 産経ニュース

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「女性差別は感情で解決できない」 話題の韓国小説家が来日

 「家」を継ぐ立場の男児を尊ぶあまり、妊娠時に女児だと分かると堕胎するケースが相次いだため男女の人口比が不均衡になっていた社会情勢に触れ、80年代はこうした「前近代性」と進学・就職の面で女性が社会進出した「進歩性」が同居する時代だったと指摘。「そういう大変な時代の女性の話をしたかった」と述べた。

 物語は、精神科医が「カルテ」として叙述した主人公の歩み(ライフヒストリー)を紹介するという形で進行していく。この意図については「客観的に、理性的に書きたいと思った。(差別の話で)感情的になるより、いろんなことを考えながら読んでほしいと思った」と語った。

似ている日韓

 会見では、小説が日本でも話題となっている点についても質問が相次いだ。

 日本で保育園が不足している問題で女性が積極的に声を上げたことや、女性の受験者らが差別されていた東京医大の入試不正問題を「ニュースで見た」というチョさんは、「(日韓は)ほかの国よりも社会の雰囲気が似ているのではないか」。訳者の斎藤さんも、「登場人物に共感できる部分が広く、読者が自分を投影しやすいのが(日本で)人気が出た原因ではないか」と推測した。

 女性差別を主題に据えた「フェミニズム小説」として、共感だけではなく反感も生まれた同作をめぐっては、韓国では激しい議論も起きた。

 チョさんは「応援してくれる人もいたし、共感できない、(差別を)経験していないという人もいた。読んだ方々が自分の体験を語ったり、問題意識を周囲と分かち合うきっかけになったのは非常に意味があったと思う」と振り返った。