【日曜経済講座】電力自由化から3年 「安定供給」の課題浮き彫りに 論説委員 井伊重之(4/5ページ) - 産経ニュース

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日曜経済講座

電力自由化から3年 「安定供給」の課題浮き彫りに 論説委員 井伊重之

 自由化と安定供給は本来、相反する関係にある。北海道のブラックアウトのように全電力が失われる事態になれば、自由化の意味などなくなる。競争が進む中でも、安定供給をいかに確保するかが問われている。その制度設計を改めて考えるべきだろう。

 来年4月には電力自由化の最終形となる発送電分離が実施される。大手電力の送配電部門を分社化し、全国の送配電網を新電力が使いやすくする取り組みだ。すでに電力各社は送配電子会社の設立などの準備に余念がないが、新たな問題も生じている。

 例えば発電所には開閉器と呼ばれる装置がある。送電線への電気の流れを制御する役割があり、発送電一体の現在は発電所で保守・点検している。だが、発送電が分離された後は送配電会社に管轄が移り、同じ発電所の中でも別会社が設備を管理するようになる。これは非効率なだけでなく、停電時などの連携にも懸念が残る。